備忘録スパロボW『親父の背中は他の誰よりも大きくて偉大』

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  ブレスフィールド・アーディガン


  死して尚、
  家族のためその存在を銀河に残す



スパロボWにおいて、一番欠かせないスパロボオリジナルは、
何気にこの人ではないでしょうか。






【設定BGM: 久石譲『oriental wind』 コンサートver.】
カズマ達子どもの名前が日本風味なのは母親の影響なんでしょうね









「私がヴァルストーク艦長、ブレスフィールド・アーディガンだ。ブイ!」


 彼の特徴はまず、卓抜したスペースマンとしての実力です。
 現場仕込みの柔軟な知恵と機転の早さ。
 そしてそれを活かした駆け引きの巧みさ。

 父親・リーダーという二つの立場を両立させ、
 みんなに慕われる大人のカリスマ性を有している、そんな珍しいキャラ。
 そしてそれを裏付ける確かな人間性を持っていました。


 ちょっぴり恥ずかしい過去を脛に抱え、
 既知の友人にからかわれるなどの人間味のある一面があったり、
 そういう面白みもむしろブレスの慕われる大人の要素に思えます。
 これでも昔は義賊だった、とかね。
 このあたりは封神演義の太公望に通じるところがある気がする。
 完璧ではないもののどこか清々しくて、とても頼れる。そんな人です。

 ブレスはつまり、先を見据えて行動が出来て、
 進んで自分の体を張って、
 最前線に立って皆の指揮を執る。
 その器量を持った素敵な大人ってことです。


実は、生まれついてのA級ジャンパー。


 彼は火星の生まれです。機動戦艦ナデシコが参戦している背景を考えると、
 火星生まれ火星育ちのブレスはA級ジャンパーということになりますね。
 …なるのかな。確かそうだったハズ。

 スパロボWの序盤の要であることもあり、火星との絡みが多いです。
 ちなみに宇宙海賊時代、ID5時代のゴールドタイガーやフリーマンと
 追う者追われる者の日々を送っていたそうで。
 ひと儲けする為にと大量のチューリップクリスタルを収集していました。
 まぁ結局鳴かず飛ばずだったらしいのですが、
 それはおそらく悪事には走らなかったということでしょう。

 この火星生まれであるということと、
 若かりし頃の早合点で、チューリップクリスタルを大量収集していたことが
 後の展開の根幹に関わる伏線になるあたり、とてもブレスらしいと思います。



「ええい塩だ!塩を撒け!」

 彼はスパロボオリジナルキャラの中でもかなりの交渉上手の類に入ります。
 個人的に大局的な交渉に携える民間人の味方オリと考えてみると、
 ブレス以外には……うーん。

 あとは挙げるならばNEOのキャオス、やろうと思えばブラスさん。
 やはり珍しいポジションですね。

 そんな彼も苦手な相手はいるらしく、
 部下を諭すような論議は得意でも
 理論で武装した絡め手には太刀打ちできません。


 以前ナデシコにプロスペクターさんに綺麗にやりこまれて憤ったとき
 勢いで出たのが上記のセリフ。
 金銭も絡んでいたのでさぞ悔しかったんでしょうねぇ。


 ちなみに倒産の危機はしょっちゅう訪れていますが、
 一応無借金経営だそうです。
 超絶余談ですけどOGの世界って税制どうなってるんだろう。

 戦艦だけに維持費はもちろん家族の保険費用や
 福利厚生だけでも馬鹿にならなそうだ。
 そりゃあ火の車にもなりますね。


 そもそも非公式コロニーに住んでるんだたら税金とか払わなくてよくね?
  ……あれ、そうなのか。いいのかこの理屈は。それとも宇宙居住税とかあるのか


 どうせブレスのことです。いずれどでかい置き土産が
 ヴァルストークから出てくるでしょう。
 とんだ置き爆弾をして過去へボソンジャンプしちゃいましたねぇ。
 これもカズマを強くするためだ。
 背中がでかい親父がでかいツケを背負ってたということか



「思い出は何にも代えがたい。だから金になる」


 スパロボWの大騒動。今回の根幹はこの言葉にありました。
 これが全ての始まり。


 それはトレイラー心得。
 スペースマンとして名を馳せた、ブレスフィールド・アーディガン。

 彼は結婚を機に宇宙海賊の足を洗って、
 妻と共にトレイラーとして生きていく決心をします。


 そうして自分で定めたひとつの心得。
 それはトレイラー、いえ宇宙で生きていくための、
 大切な信条がこれでもかと詰め込んだ自分の為の戒めです。
 それは子のカズマにも確かに受け継がれ、
 日々を綴った航海日誌がのちのち印税に化けることになります。


 思い出。つまり知識を大切にすること。
 前銀河にジャンプした彼はその文明の人達にその大切さを説きました。
 そして作られたのがザ・データベース。

 それらが得た知識によって脅威となった時、
 その対抗措置として用意されたのがヴァルストークとヴァルホークです。
 それが自分がいなくなった世界に向けて、
 それでも家族のために出来得ること。

 つまり、ブレスはいなくなってからもみんなから慕われる良い親父だった。


 ところでヴァルストークを放流させてからブレスはどうなったのでしょう。
 ひとり身内も誰もいない銀河で、
 ゆっくり余生を過ごして死んだのでしょうか。

 思い出は何ものにも代えがたいと日々説いていた彼は、
 その思い出の形を何も持たず、まさに天外へと放り出されてしまいました。

 そして死ぬまで元の世界に帰れることはなく、
 その銀河で死んでいったのでしょうか。

 そう考えると少し切ないですね。


 しかしそこは偉大な親父。自分のことは置いといて、
 利他の心で必死に働いていたのでしょう。

 ……もしかすると、それしか出来ることがなかったのかもしれない。
 でも、銀河が違っても彼は死ぬまで家族のことを想い続けたはずです。



 その証がアプリカントでありレギュレイトであり、ヴァルストークであり、
 ザ・データベースの存在そのものなのだと思います。




これまた余談ですが、ロボットに乗って世界を救った自分の武勇伝を本にして、鳴かず飛ばずの大損こいた男性がそういえばいましたね…

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by tuyuri_felnar | 2011-05-21 01:44

漫画やビデオゲームのライティングや小説執筆等を中心に活動してます。


by ななくさ つゆり