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開拓地の夜。焚火の音が荒野に響く

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    ゆらめく篝火、割れる薪
 
   火と共に焦げた木片が跳ね

   その音は静寂の荒野に響く




パチパチと耳に快い感触を残す音が夜の番をしているアレディの耳に響きます。
妖しく艶やかに燃える焚火をただなんとなしに見つめ、穏やかな空気に身を置いたまま。









ハーケン「……もうこんな時間か。見張り番に行ってくるか。
      あのシュラボーイもたまにはゆっくり休ませないと、な」
鞠音「あら、見張り番ですか?御苦労さまですわね」
ハーケン「まだ起きてたのか。マッドな生活もほどほどにな」
鞠音「あら、私に用がありましたの?外にいる彼と交代、でしょう」
ハーケン「おっとそうだった。張り詰めっぱなしの奴を休ませないといけない。
      じゃあおやすみな、マッドドクター」
鞠音「ツァイトは朝まで動かしませんわよ。一応ナハトとアーベントを出してますが、
    彼らも不寝番だけじゃなくたまには休ませてあげたいですわね、私的に。」
ハーケン「OK。じゃあ奴らをの苦労を労って俺が朝まで見張り番しといてやるさ」




【設定BGM:クロノクロスより『星を盗んだ少女』】
焚火、というイメージで真っ先に浮かんだのがキッドのあのシーンとこのBGMでした。








ハーケン「アレディ。見張り番を代ろうか。お疲れさん」
アレディ「ハーケン殿。いえ、自分は大丈夫です。
      遠慮なさらず奥で御休みになられてください」
ハーケン「順番さ。深夜の番くらい俺だって一人で出来る。
      この辺の荒野もまだ物騒だ。お前こそ遠慮せずに休めばいいさ」
アレディ「いえ、自分は…」
ハーケン「いいから休めって」
アレディ「……はい」
ハーケン「眠るのは苦手かい?」
アレディ「は? いえ、睡眠もまた生きる上で非常に重要なことです」
ハーケン「そうじゃない」

ハーケン「こうして集団の輪の中で生活して、居眠りこいて隙を晒すことさ。
      まだ、慣れないか?」
アレディ「……どうでしょう。しかし、それもまた心身の鍛錬に繋がるのでしたら…」
ハーケン「やれやれ。こういう所は駄フォックスのばあちゃんを見習っていいと思うぜ」
アレディ「小牟殿を?」
ハーケン「ああ。今頃いびきかきながら腹出して寝てるだろうからな」
アレディ「まだその境地にまで達するのは自分にとって難しいようです」
ハーケン「ま、ゆっくり慣れていけばいい。折角お前の分も暖かいベッドがあるんだ。
      使わないと損だぜ」
アレディ「…そう、ですね」
ハーケン「ああ、だから……。……!!」
アレディ「ハーケン殿?」
ハーケン「あ、いや、ちょっと……ちょっと俺そこらへんで風にあたってくるわ」
アレディ「はぁ…。乗り物酔いでも?」
ハーケン「かもしれないな。じゃあうまくやれよ」
アレディ「 ? 」


ネージュ「アレディ……」
アレディ「ネージュ姫殿!どうされたのです」
ネージュ「どうもこうもないわ。単なる気まぐれよ」
アレディ「そうですか。夜も遅いです。お休みください。今日は私が不寝番です」
ネージュ「それは結構。でもたまには夜更かしもいいでしょう?」
アレディ「いえ。夜更かしは女性の敵です。師匠もそう仰られておりました」
ネージュ「それはそうね。……そういうところはこだわってるのよね、あの師匠」
アレディ「何か仰られましたか?」
ネージュ「いいえ。独り言よ」
アレディ「そうですか。しかし夜も遅いです。奥のベッドで御休みを…」
ネージュ「それはさっき聞きました。私は起きていると言いましたわね」
アレディ「しかし…」
ネージュ「しかしもかかしも……むぅ。融通がきかないわね」

ネージュ「あなたは、あの鋼鉄の塊の中に押しやらないと
      私を護ることもできませんの?」
アレディ「いえ、決してそういうわけでは…。しかし、私は姫を心配して…」
ネージュ「それはド余計な御世話というものよ。
      守ると決めたのなら、どんな状況でも守り通すのが男。違う?」
アレディ「それは勿論そうです」
ネージュ「なら、私がこうお外であなたと談笑している事に何の問題があって?」
アレディ「いえ、ですから、もう夜も遅いので御休みになられてはと……」
ネージュ「……。勝手に座りますからね」
アレディ「ネージュ姫殿!」
ネージュ「ここにいたいのよ。今だけでいいから」
アレディ「え?」
ネージュ「……もう、乙女にここまで言わせるなんて男子失格ですわよ。
      一度、ドじっくり話してみたいと思ってたのよ。こういう雰囲気で」
アレディ「話、ですか?」
ネージュ「ええ。戦いから離れた場所で、落ち着いたあなたとね」

ネージュ「アレディは寝ないの?」
アレディ「一応、ハーケン殿が戻られた時に部屋へ行こうとは思っています」
ネージュ「ダメよ寝なきゃ。寝る子は育つ。そう言うでしょう」
アレディ「睡眠もまた修練の一環、というわけですか……。なるほど。一理あります」
ネージュ「そうじゃなくて、もっと単純に。腐抜けて大の字になって熟睡するの。
      思いっきり寝て次の日はお寝坊さんになるのよ」
アレディ「そんな。危険です」
ネージュ「ううん。危険じゃないわ。ツァイトの中だから。周りにはみんながいるから。
      そこはあなたにとっても私にとってもド安全な場所になる。だから大丈夫なの」
アレディ「自分には難しいです」
ネージュ「出来なきゃダメよ。何の為にハーケンがあなたのベッドを用意したと思って?」
アレディ「……」

ネージュ「じゃないと、背中を任せて戦えないじゃない」
アレディ「背中を……任せる」
ネージュ「本当は言葉で説明したいけど…それじゃあアレディの為にならないもの。
      ここから先の答えはあなたが自分で見つけて」
アレディ「答え……ですか」
ネージュ「ええ。それまでは、あなたにはとりあえず私がいてあげる」
アレディ「えっ」
ネージュ「そうよ。戦い以外にもイロイロとね。あなたの為にひと肌脱いであげますわ。
      まぁ、単なる気まぐれですから必要以上の意味には受け取らないようにね」
アレディ「ひ、ひと肌……。それ以上脱がれるのは少々危険では?」
ネージュ「もう、このドムッツリスケベ」
アレディ「ぐはッ!!」
ネージュ「あ、効いた」
アレディ「じ、自分は今何か失言でも…?」
ネージュ「それも自分で考えること。宿題よ」
アレディ「宿題…。承知しました」



ハーケン「順調に進展中、か」
小牟「うんうん、健全なのはええ事じゃのう」
ハーケン「いつの間に起きてたんだ」
小牟「いびきかきながら腹出して寝てるじゃろう、あたりからかの」
ハーケン「最初からか。ま、悪気はないんで勘弁な」
小牟「かまわんぞい。実際そんなもんじゃからのう。ヘソかきながら寝ることもあるわ」
ハーケン「OK。今のは聞かなかったことにしておくよ」





パーティで行動を始めてまだそう間も経たない頃のとりとめのない会話。
そのくらいの親密さの頃にはこういうやり取りもあったのかなぁ、程度のものですけれども

by tuyuri_felnar | 2011-06-08 01:40

漫画やビデオゲームのライティングや小説執筆等を中心に活動してます。


by ななくさ つゆり