地に足をつけて歩くこと。 送りだす親と歩みゆく子ども

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 「いってきます」と言うリュウセイと

 「いってらっしゃい」と送り出すユキコ


やっぱり、良い親子だなって思うんですよね











ユキコ「準備できた?」
リュウセイ「おう。バッチリ」
ユキコ「荷物は?忘れ物、ない?」
リュウセイ「多分。そもそも大概の私物は許可がないと持ちだせないし持ち込めない」
ユキコ「そう。しっかり、がんばってね」
リュウセイ「ま、いつも通りだろうけどな。とりあえず、がんばってくるよ」




【設定BGM:池田綾子 『SORA』】
早朝に涼しい風が降りてきます。空から







ユキコ「また行っちゃうのね…」
リュウセイ「いいよ。いちいち玄関まで送らなくても」
ユキコ「いいじゃない。今日は体の調子もいいんだから」
リュウセイ「…まぁ、体に障らないならいいんだけどよ」
ユキコ「ほら、襟は立てないの。荷物重くない?ハンカチとティッシュは持った?」
リュウセイ「だ、大丈夫だって。ガキじゃないんだからよ」
ユキコ「お弁当とお茶を用意したから、電車の中で食べてね。
    規則正しい生活をして、みなさんに迷惑かけないようにね。あと睡眠も…」
リュウセイ「ちょ、勘弁してくれよお袋。もう俺いっぱしの軍人なんだぜ」
ユキコ「あら、生意気言っちゃうのね。じゃあ足元を見てごらんなさい」
リュウセイ「足元?……あ」
ユキコ「靴紐も結ばずに出立しようとするなんて、そんなんじゃ一人前もまだまだ
    先の話ね。くすくす」
リュウセイ「ちぇ、たまたまだよ。たまたま」
ユキコ「油断大敵。仕事中なら撃墜されてるわよ」
リュウセイ「はは、笑えねぇ……」



ユキコ「次はいつになるかしら」
リュウセイ「いつだろうなぁ。でも、休める時が来たらすぐ休暇取って帰ってくるよ」
ユキコ「無理しないようにね」
リュウセイ「大丈夫だって。こう見えて結構優秀なんだって、俺も」
ユキコ「あら、そうなの?」
リュウセイ「おう。なんたってロボットのパイロットだからな」
ユキコ「そうだったわね。じゃあ、いざという時は頼っていいの?」
リュウセイ「おう。どーんと来いだよ」
ユキコ「みんなが苦しんでる時、助けに来てくれる?」
リュウセイ「まさしく飛んで駆け付けるって」
ユキコ「……世界の平和もあなた達に託していいのかしら」
リュウセイ「まかせてくれよ。なにせ天下無敵のスーパーロボットだぜ?」
ユキコ「ふふ、そうね。期待してるわ。…がんばってね、リュウ。……がんばって」
リュウセイ「……お袋。どうしたの?」
ユキコ「ううん。いってらっしゃい」

ユキコ(無事に……なんて言えないわね。この子は必ず帰ってくるもの)

リュウセイ「駅で車を待たしてんだ。行ってくるよ」
ユキコ「どなたかお迎えに来られてるの?」
リュウセイ「さあ。SRXチームに関わる誰かだとは思うけど」
ユキコ「挨拶に伺おうかしら」
リュウセイ「や、やめとけって!親子同伴で出勤する軍人なんて格好つかねーよ!」
ユキコ「冗談よ。冗談」
リュウセイ「……いつか家に連れてくるからよ。それを気長に待っててくれ」
ユキコ「そう?」
リュウセイ「ああ。必ず連れてきて紹介する。みんな良いヤツばかりなんだ」
ユキコ「男の子も、女の子も?」
リュウセイ「大勢な!この狭い家には入りきれないかもしれないぜ」
ユキコ「それはそれは…ごちそうを作らなくちゃね」
リュウセイ「だな」
ユキコ「その時はリュウの彼女も連れてきてくれるのかしら?」
リュウセイ「か、か彼女だぁ!?」
ユキコ「あら、まだいないの?」
リュウセイ「いないよそんなの!」
ユキコ「あらら、お母さんがリュウくらいの頃にはねぇ」
リュウセイ「いいって、その話は!じゃあもう時間だし行ってくるよ!」
ユキコ「そう。じゃ、しっかりね」
リュウセイ「ああ。行ってきます」
ユキコ「ええ。いってらっしゃい」


ユキコ「……」
リュウセイ「お袋!」
ユキコ「……!」
リュウセイ「弁当ありがとな!」
ユキコ「うん」
リュウセイ「これまでと同じだって!同じようにまた、ピンピンして帰ってくっから!」
ユキコ「わかってるわよ。体調だけは崩さないようにね」
リュウセイ「おう!いってきます!」


ユキコ「……」
ユキコ「…私ったら、ダメね。いつもいつも。ただ送り出すだけなのに」




=車内=

リュウセイ「…………」
アヤ「どうしたのリュウ。やけに窓の外ばかり眺めてて」
リュウセイ「べつに」
アヤ「車の中じゃやけに無口ね」
リュウセイ「そうか?」
アヤ「休暇でホームシックに罹っちゃった?」
リュウセイ「馬鹿言え。ありゃ帰れねーやつがなるもんだろ」
アヤ「…ちゃんと、お母さんに親孝行してきた?」
リュウセイ「…わかんねぇ」
アヤ「そう」
リュウセイ「アヤ」
アヤ「どうしたの?」
リュウセイ「このまま基地まで車ん中だろ?」
アヤ「そうね。今の内にご近所の風景をたっぷり見ておいたら?」
リュウセイ「ふーん……」
アヤ「それがどうかしたの?」
リュウセイ「なぁ、弁当食っていいか。車の中でわりぃけど」
アヤ「え、お弁当?」
リュウセイ「お袋が作ってくれたんだよ。向こう着いたら食うヒマないしさ」
アヤ「…そう。お弁当を……。いいわよ。その代わり静かにね」
リュウセイ「お、いいのか。サンキュー」



アヤ「良いお母さんね」
リュウセイ「……だな」
アヤ「羨ましいわ。しっかり親孝行するのよ」
リュウセイ「……ああ」
アヤ「……ゆっくりおあがり」
リュウセイ「……」



リュウセイ「…………うめぇ」




定期的にリュウセイ良い子な話が浮かんできます。親も良い人なら子も良い子、か。
女っ気はないですけどねリュウセイって。…あれ、そういえばユキコママンってリュウセイの年齢の頃にはもうリュウセイを生んでいた設定だったような…………。……ほぁー

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by tuyuri_felnar | 2011-09-20 23:40

漫画やビデオゲームのライティングや小説執筆等を中心に活動してます。


by ななくさ つゆり